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原作コミック 湾岸ミッドナイトとは

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地獄のチューナー・北見淳が作り上げた一台のフェアレディZ(S30)。 それはあまりにもパワーがあり、誰も乗りこなすことができなかった。事故を重ねてオーナーが変わるうち、そのマシンはいつしか「悪魔のZ」 と呼ばれるようになる。
月日は流れ、主人公の朝倉アキオが悪魔のZの新たな乗り手となったところからこの物語は始まる。まるでくるおしく身をよじるように走るその姿 は、スピードの世界に生きる者たちの心を捉えて離さない。 ある者は家族を捨て、ある者はかつて封じ込めた想いを解き放ち、 Zに挑む。
行き着いた先に何があるのか、その目で確かめるために───「湾岸ミッドナイト」は単なるスピードの優劣やバトルの勝敗だけでなく、 登場人物の心理描写も赤裸々に描かれているのが魅力だ。 それがキャラクタたちの個性やポリシーになり、ひとつひとつのセリフが 読み手の心に深く響く。
楠みちはる氏が描く原作コミックスは全42巻が発売中!
現在はセカンドステージに当たる「湾岸ミッドナイト C1ランナー」も2012年7月に完結。コミックスは全12巻が好評発売中!

登場キャラクタ一覧
(ライバル編)

ストーリーモードに登場するライバルたちを紹介します

たとえ悪魔でも オレはコイツがいい
ただそれだけだ

Z31に乗るごく普通の高校生だったアキオは、ある日、廃棄寸前のZに出会い、一瞬でその姿に魅入られる。だがそれは「悪魔のZ」と呼ばれた車だった。周囲の制止を振り切り、Zを自分の物にしようと躍起になるアキオ。しかし、大破と再生を繰り返すうち、力で押さえつけるのではなく、ただ従うだけでもなく、車と乗り手が一体になることが大切だと理解していく。そして数々のライバルと走ることで大きく成長し、Zの永遠のパートナーとなる。走りの頂点を目指す者たちにとってアキオとZは、希望であり、そしてターゲットなのだ。「ココから先は戦うコトでしかわからない―― それしかわかり合える方法がない――」

撃墜させてもらおう
走り続けてきた経験とプライドにかけて

911を駆り、「ブラックバード」と呼ばれる男。圧倒的な速さで「湾岸の帝王」の座を欲しいままにしているが、かつて走っていた仲間は次々と消え、親友の朝倉晶夫はZで命を落とし、その心が満たされることはなかった。しかし、朝倉アキオという新たな乗り手によって悪魔のZが復活したことを知り、ストイックな走りでZを追う。そして戦いを繰り返すうちアキオはZに選ばれた唯一の存在であることを理解し、同時に自分も心の底ではZに選ばれたかったことに気づく。アキオとは単なるライバルを越えた関係だが、決して馴れ合うことはない。同じ世界で速さを追求し、互いを高めあう「コインの裏表の存在」なのだ。「・・見事だ よくぞここまでこの悪魔を・・・・」

100万回の言葉よりも
もっとわかりあえる瞬間がある

32Rを操る売り出し中のタレントで、仕事では満たされない心を走ることで埋めていた。そんな時、悪魔のZと遭遇。ライバル心を燃やし、32Rのさらなるチューニングを山本や北見に頼み込むが、アキオのことを知るにつれ、Zの前を走るのではなく、どこまでもZの走りについていきたいと考えるようになった。その後、Zの数々の戦いを見届け、レイナ自身も周囲から最高のR乗りと認められるほどに成長。アキオからも「いなくては困る存在」と言われるようになる。レイナはこれからも追い続ける。Z、そしてアキオを―― 「そのスピードを共有し続ける以上―― きっとわかりあえると信じている」

やめろって かなうわけねーからっ

アキオと同じ高校に通う同級生で、コウちゃんの弟。アキオがZ31に乗っていた頃は、よく一緒にナンパして遊び歩いていた。マーにとって車は移動手段でしかなく、悪魔のZの修復に没頭する兄やアキオの気持は理解できないようだ。そして車にハマって留年が決定したアキオを案じ、悪魔のZの処分を促すがアキオは耳をかさなかった。卒業後は次第にアキオと疎遠になっていった。「あのZに乗ってるかぎり いつか本当に死ぬぜ お前」

冷静にな・・・・ 無茶はすンなよ

アキオの友人マーの兄で、アキオがZ31に乗っている頃、よく面倒を見ていた。その後、解体所でスクラップ直前だったZを、アキオの熱意に負けて修復に協力する。だが、悪魔のZの経歴を知り、さらに事故を繰り返しながらものめり込んでいくアキオの姿を見て心配の色が隠せない・・ チューニングを手がけるだけでなく、自分自身もFCを乗りこなす。「車はしょせんキカイ それ以上でもそれ以下でもねーゾ」

どうして このZじゃなきゃダメなの・・・・?

かつてのZのオーナー=朝倉晶夫の妹。だが血はつながっておらず、えりこは密かに想いを寄せていたが、自分が選んだZで晶夫は帰らぬ人となる。それから3年、えりこは達也と交際していたが、晶夫と同姓同名のアキオが新たなオーナーになったことを知り、その姿に兄を重ねる。しかし、アキオから「お前の兄貴のかわりはできない」と否定されてしまう。忘れようとするが忘れられない気持ち・・ ついに、えりこはすべて消すため、悪魔のZを海に沈めてしまおうとする。「どうして達也がこの悪魔のZを助けるのよォ――ッ」

・・・・オヤジ なあオヤジ
アンタには一瞬でもこーゆう時があったかい

業界屈指の写真家として名を馳せるイシダ。しかし、富や名声では満足できずに深夜の湾岸を走っていた。そんな中、仕事を通じて出会ったレイナからアキオと悪魔のZの存在を知り、自分の心を満たすターゲットと直感。2千万円以上する車を北見に託し、さらに1千万円のチューンを施したマシンで悪魔のZを追う。だが以前から患っていたガンによって、過激な走りに耐えられない体であることはイシダ自身が一番理解していた。「走り続けてくれアキオ 光のように走り去るお前とZであり続けてくれ」

どっちだ? だからどっちが速いんだ?
それだけが知りたいんだ!

わずか1km/hの最高速を伸ばすことに執着し、同棲していた彼女を流産させてしまった過去を持つ平本。以降、チューニングから遠ざかっていたが、悪魔のZの存在を知り、走りへの情熱が再燃。「ずっとふりきれて・・・なかったんだ」と妻に告白し、幸せのカードと引き換えに走りの世界へ舞い戻ってしまう。限られた範囲で32Rを本物の竜に仕上げ、最高速ステージへ。「踏みこめえ フラットアウト―――ッ」

あたしは弱虫だから これ以上ついていけないの・・

平本洸一の妻。かつてスピードに没頭する平本に尽くすため仕事を増やすが、それが原因で流産を経験。それから3年、生活もやっと安定し、子供ができたら恵の実家である宮崎で小さな修理工場を始めるつもりだった。そんな折、悪魔のZの存在を知った平本は、自分との生活を捨てて、再び走りの世界へ戻ってしまう。恵はこれ以上ついていけない気持ちを涙ながらに訴え、身ごもった子供と共に実家へ去って行った。「さよなら 子供はあたしが一人で・・ 宮崎に帰ります あたし」

変わらないよな お前って・・ ほんと昔のままだヨ

平本の古い走り仲間で、現在は沢松鉄工所に勤務。再び走り出した平本から「とびっきりのマフラー」の制作を求められて意気投合し、共に平本Rをセッティングしていく。しかしある日突然、平本から「器用なお前を利用してただけ」と突き放される。それはマツの母親からマツを昔の世界に引き戻さぬよう咎められた平本なりの別れ方だった。その気持ちを察したマツは最後のマフラーを残し、平本の前から立ち去る。「とりあえずコレはおいてゆく 気に入らなければ捨ててくれ」

オレがほしいのはとびっきりの速さなんだ!

平本の後輩のメカニックだったが、愛車であるZ31のチューニング資金を溜めるため転職。「とびっきりの速さ」を求めてセッティングしたZ31のパワーは、いまや湾岸トップクラスに届く勢いだ。しかし、ややラフなドライブを「スピードを甘く見るな」と平本に諭されることも。「ついてこれますか ここから」

最近一人で走ってばっかだろ お前?

原田も所属する、ひととき湾岸最速とも言われたことがある走り屋チーム、「EXCITING(エキサイティング)」のリーダー。 雑誌にも登場する同名チューニングショップのオーナーでもある。チューニングマシンはショップの宣伝のためだけにあると思っているようで、原田には反感を持たれている。 「バーンとウチのチームのかっこよさ みせてやろーぜ ハハ」

命をのせて走るんだ
チューンドロータリーでいくのが当然だろう

10年前、谷田部で最高速を競っていたマサキは、北見チューニングの片鱗を見た後、壮絶な事故を起こす。以後、車のブローカーを生業にしていたが、伝説だったZを目撃し、再び走ることを決意。大田を説得してロータリーエンジンを組んでもらい、RGOデモカーのFDでセッティングを開始する。その時、偶然にもZとブラックバードに遭遇。そのままワントライの赤坂ストレート決戦になだれ込む!「今夜でなければダメなんだ 同じ夜は・・もう二度とやってこない」

あんたはもう二度と走らない・・ ――いや走れない

イベント回りのコンパニオンモデルで、マサキの彼女。一見クールだが、悪魔のZに出会い、かつて敗北した北見チューンにケリをつけようとするマサキをじっと見守った。そしてバトルが終わって別れを切り出したマサキにFDを買い与え、条件としてノーマルで乗るコト、そして自分と生きていくコトを提示し、ずっと抱いていた想いを告げる。「本当に死ななくてよかったね・・ マサキ・・・・」

踏める もっと踏んでいける 限界はもっと先にある

伝説のランナー相沢洸一の忘れ形見で愛称はケイ。父親と同じ銀色のスープラを駆り、首都高トップと称される。しかしアキオに「上には上がいた」ことを思い知らされ、ホストでチューニング資金を稼ぎつつ先輩ホストの竜也と走り込む。それを知った洸一の仲間たちは、ケイのスープラを800馬力のモンスターマシンにチューニングする。しかしそれはケイが降りていくことを願ってセッティングされたマシンだった。「いける オレはいける 一瞬ものがさず見ててくれ」

オレがトナリに乗るようになって お前速くなったろ?

ケイが勤めるホストクラブのナンバーワンホスト。ケイの仕事の面倒を見るだけでなく、彼が走ることにも理解を示す。モンスタースープラが完成する直前にはケイの身を案じ、レイナに「止めるコトはできないかナ」と切り出すが、それが無理であることは竜也自身が一番よくわかっていた。ケイは竜也に家族がいることを知り、自分の車に乗せることを避けようとするが、竜也の方から「助手席に乗りたい」と告げ、その走りを最後まで見届けた。「いーぜ 踏んで」

負けられない チューナーとしてこの世界に生きる
プライドとして――ッ

大田のショップ「スピードファクトリーRGO」の現場責任者。相手の年齢などに構わずハッキリと話すことから、クールに見られることが多い。だが、RGOのデモカーである33Rでブラックバードと争い、自らのミスで大破させてしまった時には、「この33R オコせませんか・・?(修復できませんか)」と涙ながらに大田へ問いかける熱い一面も。「いっとくが負けたなんて全然思ってないヨ」

気持ちが加速してゆく オレは前を見ていける――

Rにこだわる「スピードファクトリーFLATレーシング」のオーナー。効率ばかりを優先した仕事に嫌気がさし、現在は一人で得意客だけを見ている。また、R200CLUBの一員でもあったが、かつての仲間(安彦)の夜逃げ跡を火事場泥棒するようなメンバーを見て、完全に決別する。彼もまたZの魔力に惹かれ、10年のノウハウをすべてつぎ込んだ33Rで挑む。その戦闘力はブラックバードをも凌駕するほどだ。「まいったナ どうしてこんなにアツイんだ 長い夜になるかもしれない・・」

キクんだよナ
こういう公道のハンパな伝説をツブしていくのは

「CCRファクトリー」のオーナー。また、谷田部で200マイル(320km/h)をマークしたチューナー集団「R200CLUB」のリーダーでもある。すでに走りへの情熱は薄れており、妥協を認めない黒木の仕事スタイルを「技術的に優れていても結局シロートなのヨ」と評する。自分たちの名を売るため「R狩り」を画策。しかし、その途中で遭遇したブラックバードを潰そうとして逆にクラッシュしてしまう。「公道300km/h そんなバカげた時代は もう終わりだろ」

あんまりむつかしく考えんなヨ タカ

「ナイトオンレーシング」のオーナーで、R200CLUBの一員。黒木からは「オレが気づかないコト、ちゃんと教えてくれる」と信頼を寄せられており、安彦も黒木のガレージにはよく顔を出していた。しかし、「マジメで妥協を認めないモノの考え方」だけでは生きていけないと考え、元木たちの「R狩り」にも参加。最後は黒木との約束を果たさず、夜逃げで姿を消してしまう。「チューナーが廃業するいちばんのワケ知ってるか? それはナ 自滅なんだヨ」

ツマンナイのはテメーの腕だろって

「JPPレーシング」のオーナーで、R200CLUBの一員。実戦経験は豊富なようだが、今では他のメンバー同様、妥協した効率的な経営に注力している。元木が画策した「R狩り」にも参加。ブラックバード潰しに失敗した元木から「思いきりかぶせろ 骨は拾ってやる」と命令され、「ヤルにキマってんだろ――」と息巻く。しかし、一瞬もスピードを殺さず迫るブラックバードに気負い、かぶせることすらできなかった。「けっこー客 流れちゃうかもナ・・」

ドコの車よ アレ?

「パワーハウスJAPAN」のオーナーで、R200CLUBの一員。メンバーの中で最初にレイナの32Rを目撃する。山本や大田といったかつての大物チューナーが再び動き出したことを知り、自分の店の経営に危機感を抱いて冷汗を流す。その後、元木、園田らと共に「R狩り」に参加。突如現れたブラックバードを待ち伏せし、元木と挟み込もうとするが、あまりの速さに怖気づき、元木と共にクラッシュしてしまう。「イタイよナ ただでさえ不景気なのに」

こっちのコトなんか ぜんぜん目に入ってねエよ

手軽なチューニングで走り屋をきどる若者たち。形から入る者が多いため、マシンの外見は立派。しかし、アキオやブラックバード、黒木といった「ホンモノ」とは、すべての面において次元が違いすぎる。ルームミラーで「ホンモノ」が近づいてきたことに気づいた次の瞬間、眼前にはその後姿があるのだから、これはもう唖然とするしかないだろう。「はええッ」

でも そーゆう約束やから――
気持ちにケリつけて あとはもう 走るコトだけ――

出て行った父親の後を継ぎ、継母と連れ子マキの面倒を見ながら借金だらけの青果店を立て直したエイジ。ランエボVで大阪の環状エリアを制していたが、遠征してきたブラックバードを見て、抑えていた東京への想いを募らせる。その後、シゲと父親の後押しで気持ちにケジメをつけるため3ヶ月限定で東京へ。そこでRGOに出入りするようになり、リカコと共にランエボVをチューニング。450馬力でも300km/hを出せるマシンに仕上げ、Zとブラックバードに挑む。「ゆーてもええんやなそーゆうの オレのランエボもごっつー生きてるって」

マジにならんほーが えーでえ

エイジの異母の弟。シルビアS14からランエボVIに乗り換え、環状で名が知れるほどになったが、エイジからすればまだまだ未熟。「どんな時でもクルマのサイズを頭に入れて走らせろ」というエイジの言葉を、最初はうっとうしく思っていたが、走り込むうちにその意味を理解しはじめる。また、東京からやってきた島の走りを見て、方法こそ違うが最終的に指し示すものはエイジと同じであることを感じ取る。「自分でわかっていかなければ お前の命やから――」

正しいコトと自分がソレをセレクトするかは また別だろ な

外車専門の自動車評論家。「ビッグマウスの一発屋」と呼ばれた過去を否定するような態度を取っていたが、仕事で知り合ったレイナからアキオとZを紹介されて走りへの想いが蘇る。ロータリーより速いエンジンが他にもあることを認めつつも城島にとって特別な存在であるFCにこだわり、伝説のプライベーター林から譲り受ける。また一時的とはいえ、FCの名義を変更してアキオに所有させ、あらゆる知識を与えた。その後、限られた期間で林と富永の手により最高の状態に仕上がったFCでZとブラックバードを狙う。「伝えるコトによって オレもまたあの頃に戻ってゆく」

じゃあ オレのペースでいくぜ

林の元に出入りする若きドライバー。林がチューニングしたFDを駆り、御殿場では名が知られた存在。だが、林に言わせれば「しょせん ここだけの走り屋 ここしか知らない走り方」で、城島とともにやってきたアキオのZと走り、完敗。その後、首都高でFCに乗るアキオと再び勝負するが結果は同じだった。車をコントロールする技術では互角かそれ以上だが、走りのイメージを組み立てていく経験がアキオに比べて圧倒的に少なく、未熟だったことを思い知らされる。「踏めない車は速くない―― 当たり前のコトが今わかる――」

登場キャラクタ一覧
(チューナー編)

ストーリーモードに登場するチューナーたちを紹介します

勝者はいない おりる者と残る者・・
ただそれだけだ

S30Zに絶大なパワーを与え「悪魔のZ」を生み出した地獄のチューナー。彼が組む車はスピードの代償として危険がつきまとうため、次第に客が離れ廃業に。「オレはもうわかるヤツの車しか手を入れたくない」と言い放つが、Zがアキオという新たな乗り手を得て走り出したことを知り、その行き着く先を見届けるべく、Zを再びチューニングする。また同時にブラックバートをはじめとするZを狙う車も手がける。それは「Zはより強い者と走るコトによって生きてくる」ことを北見が一番よく知っているからだ。「お前の命が先につきるか・・ それともコイツが先に息絶えるか」

チューニングに魔法はないわけよ やっぱり

「スピードファクトリーRGO」のオーナー。暴走族から走り屋へ、そしてショップを始め、「最も成功したチューナー」の一人になった。経営が波に乗ると自らエンジンを手がけることはなくなったが、マサキの熱い想いに触発されてFDをチューン。その腕はまったく衰えていなかった。その後も、ケイのスープラやRGOデモカーのFDを組み上げる。山中を始めとした部下たちの面倒見もよく、走り屋たちの兄貴分的な存在。また、チューニングを始めた娘のリカコに対しても、よき理解者として接している。「うんと後悔しろ・・・・ そして絶対に忘れるナ」

みてもらおーじゃないか プロの仕事ってやつを

「山本自動車」のオーナー。かつて大田らと走っていたが、走り屋という言葉で暴走行為を正当化することがイヤになりチューニングから身を引く。レイナの32Rだけ特別に見ていたが、パワーを適度に抑えたり、黒い車体を事故の可能性が低くなる白に塗り替えるなど安全性を重視していた。しかし、ケイのスープラに手を貸したことや、北見がレイナの32Rのパワーを開放したことが、山本のチューニングに対する想いを蘇らせる。その後は34Rのデモカーを製作。看板も昔の「ヤマモトSPEED」に戻した。「パワーは出てあたり前 大事なコトはいつもその先なんだ―」

どーせオレぁエンジンのセンスねーよ

「スピードショップマッハ」のオーナーで愛称はガッちゃん。実質の経営を仕切っているのは奥さんで、「アンタがサボってても仕事は回るし」などと言われているが、エアロの腕前は本物。その技術は大手エアロメーカーに真似されるほどだ。おしゃべりで人のお節介ばかり焼いているが、実は情に厚く涙もろい一面もある。普段は走り屋風VIP仕様のセルシオで優雅に(?)走っている。「今度はオレのスーパーセルシオ乗るかあ?」

チューニングという行為を介して
オレという人間をわかってほしい

「トミナガスピード」のオーナー。ECUセッティングのスペシャリストで、古くから走りに関わっている者たちからは「ジェッティングの富永」と呼ばれている。ケイのスープラをセッティングした際にアキオと出会い、その後、Zのセッティングを自ら願い出て、アキオにいろいろなことを教えていく。さらにブラックバードをはじめ、Zと関わる運命にある車たちを幾度もセッティングしていった。金にならないような仕事ばかり取り組んでいる富永だが、それはチューニングという行為を介して自分という人間をわかって欲しいと願っているからである。「笑う・・・・? どうして笑う? そんな心から出たお前の言葉を」

・・選ばれし者よ 与えてくれ オレに勇気を

「タカギボディファクトリー」のオーナー。15歳からこの世界に入り、板金一筋でやってきた。その腕は北見に「ボディワークの天才」と言わせるほどで、かつてZのボディを300km/hに耐えられるよう補強したのも彼である。それから10年。北見が再び大破したZを持ち込み、ボディの修復を依頼。現場を離れて久しい高木はそれを拒むが、新たな乗り手であるアキオのあまりにもまっすぐな気持ちに勇気を与えられ、体を壊しながらも見事にZを復活させる。それ以降もZとそれを追う者のボディに手を貸し、時にはアキオに手伝わせながら想いを伝えようとする。「Zはいつでもお前しだいだ アキオ」

ねえ・・受け入れられたかナ?
あたしたち2人はあのクルマに

RGO大田の娘で現役女子大生。小さな頃から機械をバラして遊び、中学生でエンジンを組み上げてしまう。父親譲りのそのセンスは山中も認めるほどだ。アルバイト先で出会ったエイジと意気投合し、ランエボVをチューニング。結局、エイジとは淡い想いを抱いたまま離れることになるが、同時にチューニングの世界で生きていく気持ちを強くする。その後、失速したZのオーバーホールも請け負い、試行錯誤しながらチューナーとしての才能を伸ばしていく。「チューンドの本質をもっと見たいから 自分の手でやってみたいんです」

現実にFCをセレクトするお前の理由――
それを見せてくれ――

御殿場でガソリンスタンドを経営するプライベートのチューナーで、どこまでも答えの出ないロータリーをこよなく愛する。その実力は、かつて首都高から遠征してくる北見チューンと張りあったほどだ。所有していたFCを城島の願いで譲り、さらにベンツを売却してまでチューニング資金を用意した城島の気概に応えるべく、再びロータリーを組みなおしてやった。また、オキのことは「バカだからアイツ」と言うものの、自分が車を通じて教わったことを、少し先に走り出した仲間として教えてやりたいと考えている。「くずれたバランスの中に本質が出てくる ソレを見なきゃRE乗りとは言えないだろ――」

ちゃんとロールさせてトラクションをかせぐ

「DRAGレーシング」のオーナー。かつて相沢洸一と走った仲間の一人で、ケイのスープラのチューニングでは足回りを担当。そのこだわりっぷりは、ガッチャンの「昔から奴が一番サスにはうるさい」という言葉からも十分うかがえる。スープラの最終セッティング時には、DRAGレーシングの1BOXで吉岡とガッちゃんを乗せて追走する。「しょーがねーだろ コレじゃ」

うーん オレはオレのやり方でやるぜ

「ヨシオカENG」のオーナー。かつて相沢洸一と走った仲間の一人で、ケイのスープラのチューニングではエギゾーストを担当。限られた時間で最高のものに仕上げるため、パーキングで自ら手曲げしたマフラーの交換を始めてしまう。それをガッちゃんに咎められるが「ちょい金回り良くなったからって いいコぶんじゃねーヨ」と言い返す。「しかし不満だ 一から全部作り直してー」

なるほどお前がアキオか・・
いい男だな オレの若い頃とそっくりでヨ

北見の古い知り合いで、かつては船舶関係の仕事をしていた。北見が人に「性格はワリーが腕は一流のタービン屋だ」と紹介すれば、「性格がワリーのは おメーだろ おメー」と即座にツッコミ返すキャラで、その毒舌っぷりには高木もタジタジ。大アタリのF1タービンを隠し持っていて、北見が手を入れたL型Eg(=悪魔のZ)に取り付けることを15年間ずっと待ち望んでいた。「ジジイになるとサ 最後のユメを見てえのヨ」

後悔はある あるけど納得できる人生やったわ

80年代の青山ゼロヨンで北見たちと知り合った大阪人。現在は地元で単車コゾー用の直管マフラーなどを作っている。シゲの作るマフラーは決して高性能とはいえないが、乗り手をソノ気にさせる音を発する。それを求めて東京から来訪した北見の依頼で、シゲはブラックバードのマフラーを制作。達也が失った「走りのモチベーション」を取り戻すきっかけを与えた。そして、自分の気持ちを押し殺して家業を継いでいたエイジに「本物と走ってこい」と東京へ行くこと勧める。「いつまで自分の心をごまかすんや お前は?」

ま アンタがサボってても仕事は回るし

「スピードショップマッハ」代表である「ガッちゃん」こと佐々木元の妻。実質、「マッハ」の経営は彼女が仕切っており、ガッちゃんが大口を叩くたびチクリとした一言でぐうの音も出なくさせる。ただ、ガッちゃんが家族で食べていけるショップを立ち上げたことは感謝しており、ケイのスープラ用エアロの制作も許した。・・が、パンチのきいたツッコミは忘れない。「300km/h出したらバラバラになっちゃうエアロなら笑っちゃうよね―― それ」